妊娠中、多くの女性が腰痛や肩こり、頭痛といった体の不調に悩まされます。
「整体で少しでも楽になりたいけれど、お腹の赤ちゃんに影響はないかな?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
ご安心ください。
妊娠中でも整体を受けることは可能です。しかし、施術の内容によっては、かえって症状が悪化したり、母体や赤ちゃんに良くない影響を与えたりする可能性もゼロではありません。
そこで今回は、妊娠中に安心して整体を受けるためにぜひ知っておいていただきたい3つのポイントを解説します。
1. あなたに合った適切な施術を選ぶことが最も重要
妊娠中の体は、出産に向けて骨盤を開きやすくするために「リラキシン」というホルモンが分泌されます。このホルモンは骨盤だけでなく、全身の関節や靭帯を緩める作用があるため、妊娠中は普段よりも体がデリケートな状態です。
この時期、以下のような施術は避けるようにしましょう。
- 負荷の強いマッサージ: 筋肉や靭帯を過度に緩めすぎてしまい、体のバランスを崩す可能性があります。
- ボキボキと音を鳴らす矯正: 不安定な状態の関節に余計な負担をかけることがあります。
- 過度なストレッチ: 緩みやすくなっている靭帯をさらに伸ばしてしまう恐れがあります。
特に、骨盤周りの靭帯を緩めすぎると、お腹の中の環境が悪くなり、流産や切迫早産のリスクが高まる可能性も指摘されています。
では、どんな施術が良いのでしょうか?
妊娠すると、お腹が大きくなるにつれて反り腰になったり、重心が変わったりするため、体に負担がかかりやすくなります。
腰や膝の痛み、頭痛など、不調の出方は人それぞれですが、これらは妊娠による体の変化と、元々お持ちの体の歪みが組み合わさって現れることが多いです。
そのため、妊娠中に適した整体は、あなたの体の歪みをしっかりと把握し、それに合わせた、体に負担の少ない優しい施術を選ぶようにしましょう。
2. 整体を受けるベストな時期を知る
一般的に、整体を受けるのに適しているのは、妊娠5ヶ月(16週目)以降の安定期から、お腹が大きくなり始める妊娠8ヶ月目より前の時期が目安とされています。
妊娠初期は、まだ胎盤が完全に発達しておらず、流産のリスクが高いデリケートな時期です。
この時期に強い刺激を与えたり、無理な姿勢を長時間とったりすることは、赤ちゃんに悪い影響を与える可能性があるので、過度な整体やマッサージはなるべく避けるようにしましょう。
整体を受けられる期間に明確な決まりはありませんが、出産直前まで受けられる場合もあります。
ただし、妊娠後期に起こりやすい「妊娠高血圧症候群」や「貧血」、「静脈瘤」などのトラブルがないか、施術を受ける前に確認が必要です。
不安な場合は、まずはかかりつけの産婦人科医や助産師、そして整体院の先生に相談して、ご自身の状態に合わせた最適な時期を決めるようにしましょう。
3. 施術を受ける前の準備と心構え
安心して整体を受けるために、以下の点に気をつけましょう。
- 医師に相談する: 一般的に安定期から整体を受けられる場所が多いですが、妊娠から出産までの期間は個人差が大きいです。担当の産婦人科医に相談し、整体を受けることの許可や、最適な開始時期について確認しておくことをおすすめします。
- 予約時に妊婦であることを伝える: 妊娠初期は外見から妊婦さんだと判断しにくいことがあります。予約時や施術を受ける前に、必ずご自身が妊娠中であることをしっかりと伝えましょう。妊婦さん向けの施術を提供している整体院であれば、妊娠中の身体への理解が深く、より安心して施術を受けられます。
- 無理はしない: 施術中に窮屈な姿勢をさせられたり、気分が悪くなったり、「この施術は危ないのでは?」と感じたら、遠慮なく施術を中断してもらいましょう。何よりもご自身の体調と安全が最優先です。我慢せず、担当者にきちんと伝えることが大切です。
まとめ:安全な整体で快適なマタニティライフを
妊娠中でも整体を受けることは可能ですが、施術の種類によっては、症状の悪化や母体・赤ちゃんへの良くない影響を与えるリスクがあることを理解しておく必要があります。だからこそ、どの施術を選ぶかが非常に重要になってきます。
今回お伝えした3つのポイントを参考に、ご自身に合った、安心で安全な整体を選んで、お子さんを産むまでのマタニティライフがより良いものになることを願っています。
妊娠中の身体の不調に悩んだら、ぜひこれらのポイントを思い出して、ご自身に合ったケアを探してみてくださいね。